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Last update: 2013/11/25  
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  サーバ構築Top  > 11.メールサーバの構築  > (2)メール受信サーバの設定(dovecot)
    11. メールサーバの構築
前ページのpostfix(SMTPサーバ)の設定に続いて、このページではdovecot(POP3とIMAP)のインストールを行います。 また、Webサイト上でメールの閲覧ができるようにするため、WebメールクライアントソフトSquirrelmailの設定も同時に行います。

    (2) メール受信サーバ(POP3とIMAP/dovecot)とWebメール(Squirrelmail)の設定

前ページでも簡単に触れましたが、メールサーバにはSMTP、POP、IMAPなどの種類があり、それぞれの機能が連携してメール送受信サービスを実現しています。

前ページのpostfix(SMTP)に引き続き、このページではPOP3サーバとIMAPサーバの役割を受け持つdovecotを設定していきます。 インストールはpostfixをインストールしたサーバと同じマシン上で行います。

まず、dovecotをインストールします。

[root@testserver ~]# yum install dovecot

確認を求められたら"y"を入力します。

インストールが終わりましたら、dovecotの設定ファイル/etc/dovecot/dovecot.confを開いて下記の行を設定します。

  protocols = imap pop3 lmtp
  listen = *

dovecot.confを保存して、サービスを開始します。

[root@testserver ~]# service dovecot start
[root@testserver ~]# chkconfig dovecot on

以上でdovecotのインストールは終わりです。 これでクライアントPCからメーラを使用してメールの受信が行えるようになります。

 ◇     ◇     

以上でも受信メールサーバの機能としては十分ですが、Web上からメールの閲覧や送受信が行えるとより便利になりますので、続いてWebメール用のソフトウェアのひとつ、Squirrelmailをインストールします。

Squirrelmailのインストールに当たっては、先にApacheをインストールしておきます。

[root@testserver ~]# yum groupremove 'WebServer'
[root@testserver ~]# yum groupinstall 'WebServer'

確認を求められたら"y"を入力します。 Apacheのインストールが終わりましたら、続けてSquirrelmailをインストールします。

[root@testserver ~]# yum install squirrelmail

Squirrelmailのインストールが終わりましたら、Apacheのサービスを開始します。

[root@testserver ~]# service httpd start
[root@testserver ~]# chkconfig httpd on

Squirrelmailの詳細設定には、設定用ツールの/usr/share/squirrelmail/config/conf.plを用います。 まずconf.plを起動します。

[root@testserver ~]# /usr/share/squirrelmail/config/conf.pl

設定用のメニューが表示されますので、"2"のServer Settingsを選択します。

SquirrelMail

Domainを変更するため、"1"を選択します。

SquirrelMail

Domainを入力します。

SquirrelMail

次に"3"のSendmail or SMTPを選択します。

SquirrelMail

SMTPの"2"を入力します。

SquirrelMail

続いてIMAPサーバの設定を行います。 "A"を選択します。

SquirrelMail

"8"のServer softwareを選択します。

SquirrelMail

dovecotと入力します。

SquirrelMail

"R"を入力してメニューに戻ります。

SquirrelMail

"10"のLanguagesを選択します。

SquirrelMail

"1"のDefault Languageを選択します。

SquirrelMail

"ja_JP"と入力します。

SquirrelMail

"2"のDefault Charsetを選択します。

SquirrelMail

"iso-2022-jp"と入力します。

SquirrelMail

"R"を入力してメニューに戻ります。

SquirrelMail

メニューへ戻りましたら、"S"を入力して設定内容を保存したあと、エンターキーを押下し、さらに"Q"を選択して終了します。

これでSquirrelmailの基本的な設定は終わりです。

 ◇     ◇     

続いてSquirrelmailを実際に動作させる前に、いくつか追加の設定を行っていきます。

SquirrelmailのWebメールのアドレス(URL)は、デフォルトの設定で、

  https://testserver.testdomain.test/webmail (https://サーバのホスト名/webmail)

となります。 この"webmail"の部分は、外部からの不正アクセスを避けるために、任意の文字列に変更しておくほうが無難です。 /etc/httpd/conf.d/squirrelmail.confを開いて、

  Alias newwebmail /usr/share/squirrelmail

上の青字の部分を"webmail"から新しい名前に変更します。 設定を保存後、httpサービスを再起動します。

[root@testserver ~]# service httpd restart


また、Squirrelmailでメールの送受信を行う際、FedoraにデフォルトでインストールされているSELinuxが処理をブロックすることがあります。 これを回避するために、SELinuxの動作モードをここで変更しておきます。 SELinuxは、アクセス制御などを行うセキュリティ管理モジュールで、動作モードとしては「強制モード」(Enforcing)と「許容モード」(Permissive)があります。

現在のモードを確かめる場合は、

[root@testserver ~]# getenforce

と打ちます。 "Enforcing"と表示される場合は強制モードですので、これをPermissive(許容モード)に変更します。 /etc/selinux/configを開いて、

  SELINUX= permissive

と設定を変更後、ファイルを保存します。 さらに、現在のモードを即時変更するために、下記のコマンドを打ちます。

[root@testserver ~]# setenforce 0                            ・・・(注)0:Permissive、1:Enforcing

再度getenforceコマンドを打って"Permissive"と表示されればOKです。

 ◇     ◇     

最後に、Squirrelmailの動作テストを行うための準備をします。

Squirrelmailを使用する際には、まずWeb画面からログインを行いますが、ログインするユーザのメールボックスが未作成の状態では、ログイン時にエラーが発生します。 ユーザごとのメールボックス(Maildirフォルダ)は、各ユーザ宛のメールを初めて受信した際に自動作成されますので、下記のようにmailコマンドを使用して、テスト用ユーザへあらかじめメールを1つ送信しておきます。

[root@testserver ~]# mail user1@testdomain.test
Subject: test        ←メールの件名を入力後エンターキーを押下します。
test mail                ←メールの本文を入力し、改行します。
.            ←行頭に"."(ピリオド)を入力してエンターキーを押下すると、メールが送信されます。

メール送信を行うと、上の例では、テスト用ユーザuser1のMaildirフォルダが/home/user1/内に作成され、Squirrelmailを使用できる状態になります。


以上でWebメールの設定がひととおり終わりましたので、テストのため、メールサーバ上からブラウザを使用して、先ほど設定したWebメールのURLへ接続してみましょう。

メールサーバ上でテストする場合は、

  https://localhost/newwebmail
    (注)"newwebmail"の部分はsquirrelmail.confで設定した名前です。

で接続できます。

このとき、URLの先頭は"http:"ではなく"https:"になります。 そのため、サーバ証明書として自己署名のファイルを使用している場合は、上記URL接続時に「接続の安全性を確認できません」といった警告画面が表示されますが、警告を無視してログイン画面に進みます。

例えばFirefoxであれば、「危険性を理解した上で接続するには」を選択後、「例外を追加」をクリックします。 画面に表示されているURLが正しいことを確認した上で「セキュリティ例外を承認」をクリックすると、Squirrelmailのログイン画面に進むことができます。

SquirrelMail

Linuxのユーザ/パスワードでログイン後、簡単な動作テストとして自メールアドレスやメールサーバ上の別のユーザへのメールの送受信が行えることを確認します。 メールアドレスはuser1@testdomain.testなどとなります。

メール送受信に関するログは/var/log/maillogに出力されます。 また、Webメールを使用する際のHTTPS(HTTPの暗号化)通信のアクセスログは、/var/log/httpd/ssl_access_logへ出力されます。

 ◇     ◇     ◇

次ページではメールサーバのiptables設定を確認します。



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11.メールサーバの構築:
 
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  ›(2)メール受信サーバとWebメール
   (3)iptablesの設定
 
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